キャッチボールの狙いは「常に右肩」 目を閉じても正確…イチロー氏が授ける“送球の極意”

更新日:2025.11.27

文:First-Pitch編集部

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イチロー氏が九州国際大付を指導…来秋ドラフト候補の牟礼とキャッチボール

 マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が24、25の両日、福岡・九州国際大付高野球部を指導した。今秋の明治神宮大会を制した強豪校の選手に、日米球界のレジェンドは惜しみなく“極意”を伝授。野球の基本であるキャッチボールでは目を閉じた状態で正確に投球し、選手を驚かせた。

 左太もも裏に肉離れを起こした影響でランニングメニューなどは回避したが、精力的に選手を指導。初日の24日には、来秋のドラフト候補とされるスラッガー、牟礼(むれ)翔外野手(2年)を相手にキャッチボールを行った。徐々に距離を伸ばして、70~80メートルの遠投に。距離が離れるにつれて牟礼の投球は乱れ始めた。

「上下にぶれるのはいいけど、こっち(左右)にぶれるのは駄目」とイチロー氏。「肩が強いのは分かったけど、今の精度だとまだまだ」とし、「(球がぶれるのは)必ず体の動きに理由がある。分かれば修正できる」と助言を送った。牟礼から「(イチロー氏の)球に伸びがあります」と言われ、「肩甲骨が動くのがポイント。あれが7割(の力加減)でできる能力がほしい」と説明した。

 2日目の25日には、左腕の岩見輝晟投手(1年)とキャッチボールを実施。見守る選手らに、「ターゲットは常に相手の右肩に置いている」と明かした。さらに「下から力を伝えて、手は勝手に上がるイメージ。下からの動きを進めて、勝手に上がってくる」と解説した。

長い距離を正確に投げるコツとは…「ステップした時に行き先が決まっている」

イチロー氏が培ってきた一流の技術を伝授した【写真:代表撮影】

 日本でゴールデン・グラブ賞を7度、メジャーでゴールドグラブ賞を10度受賞したイチロー氏。正確無比な“レーザービーム”でファンを魅了した。

「僕のスローイングはここ(ステップを踏んで左腕が上がった時)で決まっています。普段のキャッチボールからできる。内野手や投手はここ(リリースの時)でできるけど、外野手は安定しないし、距離を出せない。基本的には、ステップした時に行き先が決まっている」と、長い距離でも正確に投げるコツを明かした。

 そして、“達人技”を披露した。「塁間で目を閉じて投げられるか。やってみたらいかにバランスが大事か分かる。ここ(手先)でコントロールしようとすると難しい」とし、目を閉じた状態で実際に投げた。最初の2球は岩見の正面、3球目で狙い通りに岩見の右肩に。イチロー氏は声をあげて喜び、選手は拍手を送った。

 牟礼は「近い距離だと当たり前に胸に投げてくるというイチローさんの制球力だったり、意識の違いを痛感しました。遠くになるにつれ、自分は開いて逸れたりするので。イチローさんはそれもなく、すごいなと痛感しました」と明かす。岩見は「全部胸の近くにきていたので、これがメジャーにいく人かと」と驚いた様子だった。

 来春の第98回選抜大会で優勝候補の筆頭と目される九州国際大付。楠城祐介監督は「言われたことをとにかく継続して、つぶしていくことに集中していきたい」と感謝の思いを表した。

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