ジュニア入りに必須の「良いキャッチボール」とは 投げる以上に意識したい“重要動作”

文:高橋幸司 / Koji Takahashi

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福岡ソフトバンクホークスジュニア・若林隆信コーチが説く“良いキャッチボール”

 逸材小学生の中でも突出するためには、基本の徹底が大切だ。12月26日〜29日に開催される「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」で連覇を目指す「福岡ソフトバンクホークスジュニア」は、選考において守備力の土台となるキャッチボールを重視。審査ではキャッチボールの上手な子を優先的に選んでいったという。では、「良いキャッチボール」とはどのようなものか。11月上旬に行われた関東近辺のジュニアチームとの遠征試合の際、嘉弥真新也監督を支える参謀役・若林隆信コーチに聞いた。

 若林コーチは今年で3年目のジュニア指導。中日と広島でプレーした現役時代、捕手以外の全ポジションを務めた経験などを基に、チームの持ち味である堅守と機動力を鍛えて昨年は15年ぶりの優勝を支えた。チームが掲げる「凡事徹底」の言葉通り、キャッチボールにもこだわりをみせる。

「キャッチボールって、みんなは“投げる動作”をすごく意識するし、投げることが中心だというイメージがあると思いますが、僕は逆で、“捕球”が大事だと考えているんです」

 中継プレーやタッチプレー、併殺など、特に内野手は動きながら「捕る・握り替える・送球する」を素早く行う必要がある。だからこそ、はじめの「捕る」動作が大切であり、そこがチームの守備力に直結していくという。

「捕る部分もプラスアルファでしっかりやってこそのキャッチボール。そこを普段から意識して丁寧に練習をしていれば、試合で油断してエラーする、慌てて送球してエラーするといったミスは減らせます。逆に適当にキャッチボールをしていると、絶対に試合で痛いミスとして出ます」と若林コーチは力説する。

 この遠征中も、試合前に1対1の通常のキャッチボールだけでなく、ランダウンでのキャッチボールを行う様子があった。「ランダウンはキャッチボールの後に必ず入れます。基本練習なのでできて当たり前ですが、常に徹底してやるという感じです」。投げる側はしっかり握り替えた後、相手にボールを見せて相手の掛け声で投げること。捕る側は慌てずゆっくりと距離を詰め、受け身にならず、自分の良いタイミングで声をかけて送球をもらうこと。それがポイントだという。

「野球は結局、ミスが多い方が負ける。ミスを減らすために、やるべきことをしっかりやる。そこが大事ですね」

ライバルに大敗後のホテルで再認識した“ジュニアの自覚”

ホークスジュニア・若林隆信コーチ(左)【写真:磯田健太郎】

 今回の関東遠征は2年ぶりの実施。本番の舞台が神宮、横浜スタジアムであることから、普段とは異なる環境でのゲームに慣れると共に、子どもたちのジュニアメンバーとしての自覚を再確認する機会にもなったという。

「(遠征の)初日にジャイアンツさんに大敗してホテルに戻った後、あえて僕らは黙って様子を見ていたんです。すると、子どもたちの方から『素振りをしていいですか?』と。自主的に取り組める、負けた悔しさを持てる子たちなんだなと。うれしかったですね」

 チームのために貢献できる選手が集まったとコーチも自負する今年のホークスジュニア。細部にこだわるプロの意識を子どもたちに伝えつつ、2年連続の頂点を掴み取る。

【実際の動画】守備のミス撲滅は“キャッチボールの意識”から 鷹ジュニアの試合前「ランダウン練習」の様子

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