“プロの登竜門”で2度V&次男はドラ1 少年指導スペシャリストの「とがめない」育成術

公開日:2023.12.25

更新日:2023.12.27

文:宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki

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度会博文氏率いるスワローズJr.は2019、2020年に連覇を達成

 26日から28日に神宮球場と横浜スタジアムで開催される「NPB12球団ジュニアトーナメントKONAMI CUP 2023」。今年で第19回となる同大会で2018年からチームを率い、2019年と2020年に優勝に導いているのが、東京ヤクルトスワローズジュニアの度会博文監督だ。今年のドラフト会議でDeNAから1位指名を受け入団が決まった、度会隆輝外野手(ENEOS)の父親でもある。

「スタメンを発表します。1番・蒼涼、2番・廉人……」。度会監督はメンバー16人をそれぞれ、名字でなく名前で呼んでいる。2018年に就任してから、変わらないスタイルだ。「チーム結成から4か月間、親御さんから大切なお子さんを預かるのですから、期間中は父親のつもりで、名前で呼ばせてもらっています」とうなずく。

 現役時代はヤクルトで15年間、内外野をこなすユーティリティプレーヤーとして重宝された。球団が昨年、幼児や小学生向けに立ち上げた「東京ヤクルトスワローズベースボールアカデミー」でもヘッドコーチを任されており、ジュニア指導のスペシャリストとして余人をもって代えがたい存在である。

「せっかく大好きな野球をやるのですから、子どもたちにはミスを恐れず、元気に明るく取り組んでほしいと思っています」。エラーした選手をとがめ立てしたことは1度もない。「万が一、手を抜いている選手がいれば、もちろん注意しますが、全力を尽くした上でのミスは見ていればわかります。プロ野球選手だってミスはするわけで、ミスをしたら、次に繰り返さないように練習すればいいだけの話です」と言い切る。

子どもたちに伝える覚悟「地道に努力をしている人間には、絶対に勝てないよ」

 現在51歳の度会監督のアマチュア時代は、こういう雰囲気ではなかった。「真逆ですよね。昔はそれこそ、エラーをすれば『何をやっているんだ』と怒鳴られるような時代でしたが、僕自身はずっと『これはどうなのかな』と疑問に思っていました」と明かす。

 子どもたちを怒らない方針を徹底する一方、プロになる難しさはきちんと伝える。「結果はすぐには出ない。地道に努力をしている人間には、絶対に勝てないよ。チーム練習はごくわずかな部分で、どこで差がつくかと言えば、家に帰ってから、いかに自分の頭で考えて、自分なりの練習を毎日積み重ねるか」と言い聞かせている。

 同じことを家庭でも、長男の基輝さん(JPアセット証券野球部・内野手)、次男でDeNA入りが決まった隆輝さんにも言い続けてきた。隆輝さんが子どもの頃、疲れている時にも泣きべそをかきながらバットを振り続ける姿を見てきた。

 子どもたちに野球の楽しさと厳しさを漏れなく伝え続ける。

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