来店しなくても自分に合ったグラブを選べる 3D VR+オンライン接客を導入した野球専門店

公開日:2022.05.21

更新日:2025.05.13

文:川村虎大 / Kodai Kawamura

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次の時代を見据えて…千葉・鎌ケ谷市の「CV」が新しい接客の形を模索

 長期化する新型コロナウイルス感染拡大によって、様々な分野でオンライン化が進んでいる。追い風を受ける業種がある一方、逆風になっているのが対面を前提とするサービス業。野球用品店も客数が減少した。そんな中、「3D VR」や完全予約制のアンケートを駆使して新しい接客の形を模索している店がある。

 レンガ風の壁紙に、ずらりと並んだ甲子園常連校のユニホーム。千葉・鎌ケ谷市にある超野球専門店「CV」の店内は甲子園をイメージしたデザインになっている。ただ買い物する場所だけに終わらせない、来店客を楽しませるコンセプトは、接客への強いこだわりを感じさせる。

 だが、店に来てもらえなければ、接客のしようがない。新型コロナ感染拡大により客数が減り、新たな一手を打った。「3D VR」によるオンライン接客だ。「3D VR」は「Google Earth」のように、特殊なゴーグルをつけなくても立体的に視聴・体験できる。店内を歩いているような感覚を味わいながら、映像の商品をタップすればオンラインで購入できる仕組みになっている。

「CV」では、これまでもオンラインショップでの販売はしていた。しかし、商品の詳細を知らずに購入するシステムに、もどかしさを感じていたという。「3D VR」を導入した中村勇太店長は「遠方の方に、少しでも来店した雰囲気を味わってもらいたいと思っていましたし、自分に合った用具を使えないことで選手の成長を妨げてはいけないとも感じていました」と語る。

完全予約制のオンライン接客、グラブのサイズは打撃手袋から判断

千葉・鎌ケ谷市の超野球専門店「CV」【写真:川村虎大】

 オンライン接客では、利用客から事前にアンケートを取る。完全予約制で、店側はテレビ電話のように会話をしながら相手の好みを確認する。例えばグラブを購入する場合、好きなメーカーやポケットの深さなどを質問する。打撃手袋のサイズを聞くのは、グラブのサイズ選びの参考にするためだ。店にはグラブの型付けをする職人もいるため、選手に最適な“相棒”を提案する自信がある。

 オンライン接客を始めて約1年が経った。中村店長は手応えを得る一方、店内での“リアル”な接客との差も感じている。

「今はまだ差がありますが、将来的にはグラブを手にはめた感覚などがオンラインでわかる時代が来るかもしれません。いずれ、実店舗とオンラインの差はなくなると思うんです」

 店内のデザインや雰囲気づくりにこだわりを持つ「CV」にとって、非対面・非接触を推奨する新型コロナ対策が不利に働くのは間違いない。それでも、新たなサービスでピンチをチャンスに変える逆転のシナリオを描いている。

【実際の動画】野球用品が所狭しとギッシリ…VRでも見られる「CV」店内の様子

https://twitter.com/FirstPitchC2/status/1519623060760174592
【実際の動画】野球用品が所狭しとギッシリ…VRでも見られる「CV」店内の様子

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