兵庫準Vに導いたエースの“試練のマウンド” 枝吉パワーズ・武村幸次郎くんが示した「前向きな強さ」

公開日:2025.11.07

文:First-Pitch編集部

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連打を浴びた決勝で証明した「気持ちの切り替え」

 子どもたちの“がんばった瞬間”を記録して応援する新企画「成長のスコアブック―きのうよりちょっとうまくなった日―」。子どもの成長の比較対象は他人ではなく、昨日の自分です。First-Pitchでは、日々の小さな成長や努力にスポットを当て、その一歩を大切に記録し、応援していきます。今回は兵庫・枝吉パワーズの武村幸次郎くん(6年)です。

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 兵庫県軟式少年野球の頂点を争う「神明あかふじ米・第37回兵庫県ジュニア軟式野球選手権大会」で準優勝に輝いた枝吉パワーズ。武村くんはかつて、ショートの守備でバウンドをうまく合わせられず、エラーをすることもあったという。課題を克服するため、「グラブの先で捕る癖」を直すことを意識し、ポケットで確実に捕球する練習に取り組んだ。その努力がこの大会で実を結び、「守備の安定感。球際に強くなった」と成長を自ら実感した。

 主将で遊撃手と投手を任される武村くんは、大会を通して投打でチームを牽引した。マウンドでは緩急を使い分け、準決勝までは得意な球で相手打線を抑え込む投球ができたという。しかし、決勝戦では「力んで思った投球ができなかった」と振り返るように、硬さから連打を浴びる悔しい結果となった。だが、この試練のマウンドこそ、技術とは別の次元で身につけてきた内面的な強さが試された瞬間だった。

「連打されても我慢強く気持ちの切り替えができて、前向きに投げていました」

 武村孝幸監督は、劣勢のマウンドでもポジティブなメンタルを保ったことが、武村くんの変化のきっかけだったと振り返る。以降、投球練習ではピンチの場面を想定したイメージ練習を取り入れるなど、技術面だけでなく精神的な準備にも時間を割いた。監督からは「チャンスで弱い部分があるから、力を抜いてリラックスしてバットを振ってこい」と、打席でのメンタル面のアドバイスも送られていたという。

 武村監督は、日頃から「状況を見てそれに応じて最悪なことをしない工夫をしよう」と選手に伝えている。技術的な成果として掴み取った準優勝の裏には、この「最悪を回避する」ための状況判断力や、決勝で浴びた連打にも心が折れない精神的な切り替えの強さが確かに存在した。

 昨日の自分と向き合い、守備でも投球でも成長を遂げた武村くんが次に見据えるのは、チーム全員で挑むさらなる高みだ。「チーム全員で1試合でも気を抜かず、全力でやっていく」と力強く決意を語った。

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