
「任せた」から「自分がまとめる」へ…チームを鼓舞する主将の自覚
First-Pitchでは、子どもたちの”がんばった瞬間”を記録して応援する新企画「成長のスコアブック―きのうよりちょっとうまくなった日―」を始めました。子どもの成長の比較対象は他人ではなく、昨日の自分です。日々の小さな成長や努力にスポットを当て、その一歩を大切に記録し、応援していきます。今回紹介するのは8月に行われた“小学生の甲子園”「高円宮賜杯 第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルドトーナメント」に出場した明石ボーイズジュニア(兵庫)の主将・野間匠翔(たくと)くん(6年)です。
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全国舞台で、チームを救った声があった。責任感の強い主将の野間くんは、大龍ビッグドラゴンズ(鹿児島)との2回戦で3点を追う苦しい状況の中、ナインを鼓舞して同点に追いつく立役者となった。結果的に敗れたが、全員で声を出してチームをまとめることができた。勝ち負け以上に価値のある成長の瞬間だった。
「初戦は緊張したけど、2回戦では主将としてみんなをまとめられた」
そう振り返る言葉は、全国大会という特別な舞台で初めて抱いた責任感の重さを物語っている。初戦では自身のプレーに集中するあまり、周りを見る余裕がなかった。しかし2回戦では、劣勢の中で「自分から声をかけなければ」という強い思いが芽生え、行動に移すことができた。チームを鼓舞する姿は真のリーダーそのものだった。
この変化は、普段から意識している練習の成果でもある。筧裕次郎監督は「ショートに飛んだら安心して見ていられる」と守備を称賛する。決して打球を待つのではなく、前に出て捕球するという日々の地道な練習の積み重ねから生まれた信頼だ。
しかし、野間くんは満足していない。チームを同点に導いた喜びの一方で、悔しい失敗もあった。
「三遊間のゴロが捕れなかった。球際で捕れなかった」
この失敗が、次の目標を明確にさせた。「一発で仕留める打撃」や「前に出て捕る守備」。課題は尽きないが、それこそが彼を前に進ませる原動力だ。
「間違ってもいいから自分の意見や指示を出すこと」
チームのために声を出す野間くんの姿勢に、筧監督は成長のきっかけを感じていた。技術だけでなく、仲間を鼓舞するリーダーシップこそが「昨日よりちょっとうまくなった」選手にしている。次なる舞台の近畿大会では全国大会での貴重な経験を糧に、さらなる高みを目指す。
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