
埼玉・開智未来高校「未来野球フェスタ」…生成AIを使い小学生の動作分析にトライ
生成AI(人工知能)は野球において、どんな活用ができるのだろうか。そして共存していくために大切なこととは――。埼玉・加須市の私立・開智未来高校の硬式野球部が1月18日、近隣の幼児・小学生球児に向けた野球教室「未来野球フェスタ」を開催。“野球×AI”をテーマに掲げ、高校生が子どもたちと「投球フォームをAIに評価してもらう」という実験的な試みを行った。その結果と、生徒たちが伝えたかったメッセージとは。
「未来野球フェスタ」は2019年から毎年1月に開催している、同校の野球部員が企画・運営をする野球教室。過去には“野球×SDG’s”など、その年ごとにテーマを掲げており、今回は生活に身近な存在となってきた「AI」を題材に加えた。
そこで、野球部内の「企画渉外部」の生徒たちを中心に考えたのが、投球フォームを動画で撮影し、生成AIで解析・採点するという企画だ。ロングティーやストラックアウト、ペットボトルの蓋を打つ「キャップ野球」などで歓声が上がるなか、グラウンドの一角では、高校生と子どもたちがスマートフォンやタブレット端末を覗き込む姿があった。
生成AIにはグーグルのジェミニ(Gemini)を採用。企画渉外部のメンバーであるマネジャーの杉山なつみさん(2年)は「重心の位置、上半身・下半身の使い方や連動などから、カラオケのように100点満点で採点してと、プロンプト(指示)も試行錯誤しながら考えました」と説明する。カラオケのようにというのがポイントで、小学生でもわかりやすい回答が得られるよう工夫したそうだ。
実際に小学生たちも興味津々。兄弟で参加していた兄の伊東和希くん(小3)は「(採点は)86点。(グラブを持つ)左手を大きく使うといいと言われました」。弟の康平くん(幼稚園年中)は「片足で真っすぐ立つこと、投げる時に前に足を向けることを言われました」という。年齢の近い高校生が説明役なのが効果的だったようで、「大人の人よりもわかってくれている感じがして、楽しくできました」(和希くん)と笑顔だった。
AIを超えていくのは“人間の力”…高校生たちが伝えたかったメッセージ

企画渉外部のリーダーとしてフェスタを仕切った西田烈選手(2年)は、「AIを小学生に理解してもらえるかもそうですし、天候や安全面など不安もありましたけど、楽しかったって言ってもらえて大成功だったかなと思います」と手応えを掴んだ様子だった。
急速に進んでいるAI社会。それは学校生活も同様で、授業や勉強で活用する場面が大きく増えているという。ただし、「自分たちでもまだわからないことが多く、今回は高校生も小学生と一緒になってAIについて学ぶ機会にしようという意図もありました」と竹繁颯太選手(2年)。実際にトライしてみて西田選手は、「投球や打撃フォームを、自分の感覚ではなく客観的に分析してもらうことで上達に繋げられるかもしれない」と、活用の可能性も感じたそうだ。
とはいえ、選手たちが伝えたかったメッセージはそこではない。AIとの共存が進む中でも、AIを生かし、超えていくのは“人間の力”ということだ。

「テーマはAIですけど、手作りというところにはこだわりました。人の手で作ったものには、やはり温かみがありますから」(杉山マネジャー)。確かにフェスタ全体を見渡せば、ダンボールで的を作ったストラックアウトなど手作り感が満載。年々参加者が増え、今年も210人を集める大盛況だったのも、高校生たちの温もりがあるからだろう。「面白い」「楽しい」という感情は人間同士の交流だからこそ生まれるし、その感情こそが「野球をやりたい」という子どもを増やし、野球を広げる原動力にもなるはずだ。
実は西田選手も竹繁選手も、杉山マネジャーも、「人前で話すことが苦手」なことから、企画渉外部の役割を選んだという。「自分から積極的にアイデアを出したり、リスクマネジメントをしたりできたのは良い経験になりました」と西田選手。AIの分析を活かすのも、砂いじりを始める小学生を振り向かせるのも、人間の力。高校生たちにとっても、大きな学びの一日となったようだ。
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