試合で打てる子・打てない子の差とは? 元ドラ1が説く…結果に繋げる“打席前の整理”

文:高橋幸司 / Koji Takahashi

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西村監督、黒田コーチと共に巨人ジュニアを指導する大田泰示コーチ

 ドラフト1位の期待を背負い、プロの厳しい世界で16年間戦ってきたエッセンスを、小学生たちに惜しみなく伝えている。26日に開幕する「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」(神宮球場、横浜スタジアム)で4度目の頂点を目指す、読売ジャイアンツジュニアの大田泰示コーチだ。「12歳は伸び盛りのゴールデンエイジ。成長を見られる喜びがあるし、悩みもあります」と、試行錯誤をしながら子どもたちを指導している。

 12月中旬、神奈川県内で行われたオイシックス新潟ジュニアとの合同練習後のミーティングで、大田コーチは厳しくも温かみのある口調で、メンバーに問いかけた。

「打席で結果を求めていくなら、より目的を明確にしてチャレンジしてほしい。『引っ掛けたから逆方向を狙う』だけではぼんやりしている。(左打者なら)ショートの頭上に強いライナーを狙う、三遊間にゴロを打つ。そう明確にすれば、いいアプローチができるよね?」

 求めるのは結果以上に、そこに至るプロセスだ。「相手の投球練習を観察しているか、逆にキョロキョロしているか。できている人とできてない人の差が結果として現れている。そのせいで負けましたと言われたらどう? 絶対に裏で言われるよ。自分は何年も野球をしてきたけど、それが現実。言われないためにも大事なのは行動だよ」。子どもたちは熱心に、“金言”をノートに書き留めていた。

 昨年限りで現役を引退し、今年から古巣のアカデミーコーチに就任。西村健太朗監督、黒田響生コーチとともにジュニア選考・指導と新しい経験が続いた。「どこまで伝えていいのか。叱っていいタイミングか手を差し伸べるタイミングか、色々と悩むことはある」と言いながらも、「一番は子どもたちを信じてあげることが大事」とやりがいを感じている。

メンバーへ抱く大きな期待感「面白いチームになってきた」

来季からは巨人2軍打撃コーチに就任する【写真:高橋幸司】

 NPBジュニアが広く認知されてきたように、子どもたちにとってプロ野球を身近になった時代。一方で、「野球人口の減少」という現実と、それを食い止めるという大命題も実感している。

 情報が溢れかえる今、小学生が覚えてくる技術にも「正しいの?」と感じるところはあるというが、「技術、技術になっても大事なことが見えなくなる。これからの野球界を引っ張り、守り続けてくれる人材を育てる。それが一番必要なこと」。自身の経験を惜しみなく伝えるのは、球界の未来を考えてのことだ。

 ミーティングでの厳しい口調とは裏腹に、大会本番へ向けたメンバーへの期待感は大きい。「僕から見ても面白いチームになってきたなと思う。大会でも成長していくんだろうなと感じるし、1つ1つ成長していってほしいですね」。来季からは2軍打撃コーチに就任。小学生と共に試行錯誤を続けた経験が、きっと生かされるに違いない。

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