野球漫画で覚えた変則打法「めちゃめちゃ打てた」 小6逸材がこだわる“唯一無二”

文:内田勝治 / Katsuharu Uchida

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DeNAジュニア・岡田絃希、野球漫画をきっかけに「天秤打法」習得

 令和の時代に、個性豊かな打撃フォームで勝負に挑む逸材小学生がいる。12月26~29日に開催される「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」(神宮球場・横浜スタジアム)で2年ぶり奪冠を狙う「横浜DeNAベイスターズジュニア」の岡田絃希(げんき)選手(6年=静岡・長泉リトルヤンキース)。左打席から広角に打ち分ける打力とミート力が持ち味だが、何よりも、その独特な打席での構えに目がいく。

 右手はグリップエンド、左手は芯近くを持ったバットを天秤棒のように頭の位置まで高く持ち上げ、そこから振り下ろす。プロ16年間で1736安打を放った球団OBの近藤和彦氏(元大洋)や、2009年に育成出身選手では初となる新人王を獲得した松本哲也氏(元巨人)の代名詞でもある「天秤打法」を彷彿させる。

「近藤さんや松本さんの打ち方を少し参考にしています。この構えになる以前は結構(スイングが)固まってしまうことがあり、とにかくリラックスして力感を少なくして打つことを心がけています。どんな投手でも同じタイミングで待てるので、打ちやすいです」

 所属する長泉リトルヤンキースでは4年生までオーソドックスな構えだった。しかし、ある野球漫画との出合いをきっかけに打撃フォームを大きく変えることになる。名門校の3軍からはい上がった檜あすなろが主人公の『名門!第三野球部』にはまり、アニメを視聴し続けていくうちに、ライバル校の黒潮商業で3番を打つ土屋秀夫の天秤打法が目に留まった。

「面白い構えだなと思って5年春の試合でやってみたら、めちゃくちゃ打つことができたんです。そこからずっと続けています」

松井飛雄馬監督も打撃センスを評価「打率もOPSも上位」

投手や二塁手としても高い評価を受ける【写真:高橋幸司】

 今夏に行われたDeNAジュニアのセレクションも天秤打法で臨み、過去最多となる1013人の参加者の中から見事に合格を勝ち取った。松井飛雄馬監督も打撃センスを評価する。

「いい意味で何も言うことがありません。長打も打てるし、練習試合でもかなり安打が出ています。足も速く、打率もOPS(出塁率と長打を合計した値)もチーム内で上位にいるので、すごく楽しみです」

 背番号「1」を背負い、二塁手と共に投手もこなし、ワインドアップから最速115キロを投じるなど投打での活躍が期待される。二遊間を組む荒川航輝主将(6年=鶴巻ジャガーズ)も「打ち方は独特だけど、打球スピードが本当に速く、足も速いので、チームに欠かせない存在です」と信頼を寄せる。

「中学や高校に進学しても、この打法は続けようと思っています。まずは今回の大会でしっかり試合に出て活躍して、悔いを残さず全員で優勝を目指して頑張りたいです」

 天秤打法で唯一無二の存在となるためにも、まずは精鋭が集うジュニアトーナメントでインパクトを植え付ける。岡田のプレーから目が離せない。

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