全国準優勝でも…都市部の強豪が抱える“苦悩” 学童監督が明かす胸中「厳しいです」

文:尾辻剛 / Go Otsuji

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「くら寿司トーナメント」で準優勝に輝いた名古屋ドジャース

 都会のチームでも、全国大会で勝っても選手集めには苦労している。全国1750の学童野球チームが頂点を争う「第6回くら寿司・トーナメント2025 第19回学童軟式野球全国大会ポップアスリートカップ星野仙一旗争奪」(くら寿司トーナメントポップアスリートカップ2025、NPO法人 全国学童野球振興協会主催)は7日、東京・神宮球場でファイナルトーナメントの準決勝と決勝が行われた。

 初出場の名古屋ドジャース(愛知)は、準決勝で越前ニューヒーローズ(福井)に3-1でサヨナラ勝利を収めた。決勝戦は東北第一代表の常磐軟式野球スポーツ少年団(福島)に初回、いきなり4点を奪われる苦しい展開ながら猛追。1点差まで迫ったが、あと1本が出ずに惜しくも3-4で敗れた。

 初めての大舞台で大躍進。これまで「何回か出場できそうな惜しい年があった」という蛯澤俊典監督は「力の限りは尽くしました。選手は力を出し切ったと思います」。1点差に詰め寄った3回はなお2死満塁と攻めたが追いつけず。「代走を出さなかった私の判断ミス」と自らを攻めつつ、“聖地”神宮での選手の奮闘に「勝ち負けだけではない。感無量です」と目を細めた。

 2004年に設立された都会のチームは、現在の部員が14人。野球人口が減り続ける現状に、蛯澤監督は「厳しいです」と眉をひそめる。「入ってきても続けられる子と、離脱する子がいるので、そこは悩ましい問題。まずは募集して、その中で心技体が整っている子どもは残っていく。割り切りも持ちながらやっています」と胸中を明かす。

SNSも駆使して選手募集「大会での活躍をうまく発信しながらやっている」

名古屋ドジャース・蛯澤俊典監督【写真:小林靖】

 そんな中で、名古屋市内に限らず広く選手を募集している。「地区限定ではないし、来てくれる子はウエルカムです」。インスタグラムも利用しており「こういう大会での活躍をうまく発信しながらやっている。デジタルの部分は普段の仕事でもやっています」と説明。ホームページも活用しており「今回の準優勝が募集につながってくれればいいんですけどね」と今後の展開に期待した。

 チームの強化にも頭をひねっている。「うちは個々のメンバーで飛び抜けた選手がいない。体が大きい選手もいないし、パワーがある選手もいない。そうなると、考える野球をしないと勝てないんです」。全国レベルの好投手攻略は簡単ではない。打席で「間」を取ったりバントの構えで揺さぶったり、相手のペースで投げさせないように工夫し、隙を見つけて対応してきた。

 選手に考えさせることは、普段のミーティングから実践している。ミーティングでも問題点を指導者側から指摘するのではなく「きょうの課題は?」「反省点は?」などと選手1人1人に質問して、思考力を養っている。

「こちらが『ああしろ、こうしろ』と言っても、腹に落ちないとなかなかできない。自分たちで考えて行動に移せれば結果が変わってくる」。その成果を全国の大舞台で発揮。頂点にはあと一歩届かなかったものの、来年以降に必ず生きてくる。チームの財産となったのは間違いない。

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