熱中症リスク高めるマイナス3% 子どもの「飲んだ」に要注意…練習に導入したい“計測機器”

公開日:2025.09.12

文:川浪康太郎 / Kotaro Kawanami

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子どもの「飲んだ」に注意…体重計で体重を“見える化”

 炎天下でのスポーツには細心の注意を払わなければならない。宮城県大崎市のスポーツジム「FREE STYLE ASSIST」代表の湯山介人さんは、体重計を用いた熱中症対策を推奨している。「帰宅した時の体重が、自宅を出発した時の体重より3%以上減っている場合は、脱水症状だと思ってもらいたい」。体重を“見える化”して水分補給を促す意図がある。

「理想は出発時と帰宅時の減り幅を2%以内に収めてほしい。3%を超えると寝苦しいくらい体が熱くなってしまいます」。近年の夏は酷暑が続くだけに、それだけ暑い日の水分補給を徹底してほしいと願う。

 湯山さんは指導する少年野球チームでもこれを推奨しており、最近は体重計をグラウンドに持ち込むチームも増えてきたという。熱中症の疑いがある選手はその場で体重を測り、3%以上減っていたら即座に帰宅するよう指示する。小学生年代は、本人が「飲んだ」と言っても十分に水分を取っていないケースもあるため、数字で体の状態を把握することには大きな意味がある。

 飲み物の種類も注意が必要だ。コーヒーやお茶は利尿作用が強いため、排出する量が増えて体重が減ってしまう危険性が高い。練習を見守る保護者も含め、水以外であればノンカフェインのドリンクやスポーツドリンクが効果的だ。

差し入れに最適…ドリンク代わりのプロテイン入りジェラート

湯山さんが「鳴子農園」と共同で開発したプロテイン入りジェラート【写真:本人提供】

 湯山さんは今年、大崎市のジェラート店「鳴子農園」と共同でプロテイン入りのジェラートを開発した。きっかけはチームにドリンクを差し入れしても子どもが飲まない現状を目の当たりにしたこと。「熱中症対策と栄養補給を兼ねた、プロテインを使った食べ物を作りたい」と思い立ち、試行錯誤を重ねた。

 約9か月かけて完成し、今年から販売を開始。子どもでも食べやすいよう工夫されており、カフェラテ、チョコレート、抹茶の3種類の味がある。チームに差し入れすると選手たちも喜んで口にしてくれるという。

「いろんな『初』をやりたい」と目を輝かせる湯山さんには、さまざまな夢がある。大崎市に室内の運動施設を作るのも目標の1つ。同市は盆地のため、夏は暑く冬は積雪量が多い。一方で室内の運動施設は公共の体育館しかなく、酷暑や豪雪の中で運動するスペースが足りていない現状がある。

 湯山さんはそれらを踏まえ、「室内は暑い夏も需要があるはず。何年かかるか分かりませんが、菊池雄星選手が岩手に建てた『King of the Hill』のような、芝生を敷いた運動スペースを作りたい」と意気込む。野球をしたいと望む子どもたちの安全を守るのも、大人の役目だ。

湯山さん運営「FREE STYLE ASSIST」インスタグラムはこちら

https://www.instagram.com/freestyleassist__gym?igsh=MTZhNGJhM3plNDNtcg==

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