
韓国の強豪中学指揮官が脱帽した「団体的な動きや礼儀」
日本の野球は海外の指導者にどう映るのか――。7月9~14日に韓国・華城市で初開催された中学生世代の国際大会「京畿道アジアカップ野球大会(U15)」。韓国の9チームと日本、中国、台湾の各1チームの計12チームが一堂に会し、梅香中(韓国)が初代王者に輝いた。4強はすべて韓国のチームで、日本から参加した青森山田リトルシニアは準々決勝で敗退。韓国勢が強さを見せつける結果となったが、結果以上に心を打つものが日本野球にはあったようだ。
韓国の大会での優勝経験がある強豪・紫陽中は初戦で青森山田シニアに7-1で快勝。初回から1、2番が連打するなど10安打を放った。青森山田シニアの中條純監督が「個のポテンシャルの高さを感じた。チームとしても、打ってくるだけでなくバントもヒットエンドランも決めてくる」と振り返ったように、隙のない野球を展開した。
試合後、秋性建監督に日本の野球の印象を聞くと、「日本の野球は団体的な動きや礼儀がしっかりしているイメージがあって、それがすごく良いなと思いました」との回答が返ってきた。その際、通訳を介さずとも「野球」と口にしているのが分かった。「英語にすると『ベースボール』ですが、米国の自由奔放な野球とは違いがあるので日本語で『野球』と言っています」。秋監督はそう理由を明かした上で、「学生には『野球』が合っていますね」と頬を緩めた。
元プロ監督が少年野球指導に生かす日本野球の“基本形”

同じく青森山田シニアに勝利した中央中の黄潤成監督も「日本のチームと対戦すると野球に対する真剣な態度や思いを学ぶことができる。野球以前に最後まで全力を尽くして戦える選手、チームを育てたい」と語る。
高い評価を受ける礼儀や姿勢について、青森山田シニアの主将・掛川隼外野手(3年)は「守備に就く時に審判に挨拶をするとか、道具を綺麗に並べるとか、そういう行動は歴代の先輩から受け継いでいる山田の特徴です」と胸を張った。正遊撃手の新妻大和内野手(3年)も「試合会場では普段から、他チームの選手や監督、保護者への挨拶を忘れないよう心がけています」と話した。日本では当たり前とされる行動も、海外ではより光って見える。
紫陽中の秋監督はさらに「日本の野球は基本が大事。日本の野球を見てキャッチボールなどの基本形を勉強し、指導に生かしています」とも明かした。指揮官自身、韓国プロ野球(KBOリーグ)で10年近くプレーした元プロ野球選手だが、少年野球を指導する現在は原点に立ち返っているという。技術面でも精神面でも、日本の野球に影響を受ける海外の指導者は少なくないようだ。
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