「野球を教える」から「野球で教える」に転換 日本一達成した田舎の少年野球チーム

公開日:2022.08.30

更新日:2023.12.26

文:間淳 / Jun Aida

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マクドナルド・トーナメントで初V、石川・津幡町の中条ブルーインパルス

 チームの代表は「真夏の珍事」と表現する。石川・中条ブルーインパルスは8月14日、小学生の軟式野球チーム日本一を決める高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会「マクドナルド・トーナメント」で初優勝を飾った。ヤクルト・奥川恭伸投手の出身地・かほく市の隣に位置する小さな町で活動するチームが達成した快挙。指導方針は「野球を教える」のではなく、「野球で教える」を掲げている。かつては行きすぎた勝利至上主義やトップダウンの指導で失敗を重ねたが、選手の自主性を尊重する現在のチーム作りにたどり着いた。

「たまたまの出来事、真夏の珍事です。田舎のチームですから、勝てると思っていませんでした。初戦の熊本はどんなチームなんだろう、くまモンが応援に来るかなというレベルです」

 中条ブルーインパルスの尾崎弘由代表は、日本一達成にも、どこか他人事のような言葉を並べる。その表情や口調は穏やかで、強豪チームの代表を務めるイメージとは異なる。

 マクドナルド・トーナメントは「小学生の甲子園」とも呼ばれる大会で、全国1万1000チームが参加した。中条ブルーインパルスは決勝戦まで6試合を勝ち抜いた。決勝では、前年度も含めて7度も優勝している長曽根ストロングス(大阪)を破っている。決して、「たまたま」では頂点にたどり着けない。

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