大谷や近藤らに関わった白水直樹コーチ「ダイナミックに体を動かすことも大事」
選手たちにとってこれからの冬場は、来シーズンの飛躍に向けて自身の足りない部分を分析し、体力を蓄積したり技術を磨いたりしていく時期。では、具体的にどのようなことに取り組むのが良いのだろうか。First-Pitchでは、少年野球の現場を知る“凄腕コーチ”12人に取材。まずは、トレーナー・コーチとして大谷翔平投手、近藤健介外野手(ソフトバンク)ら多くのトップ選手と関わってきた白水直樹氏に聞いた。
白水氏は筑波大学大学院を卒業後、日本ハムで11年間、トレーナーやコンディションニング担当を務め、当時所属していたダルビッシュ有投手(パドレス)や大谷、近藤らのコンディショニングに携わった。その後、メジャーに挑戦した田中賢介氏のパーソナルトレーナーとして米国に帯同。帰国後は巨人コーチを経て、2022年に東京都内にトレーニングジム「PROGRESS Sports Performance Lab.」を設立した。
ジムの特徴は、約80平米のスペースの中で、トレーニングやドリルを行った後、即投打の動きが確認できること。トレーニング器具に加えて球速や打球速度、スイング速度の計測機器を備えており、白水コーチを慕うプロ選手はもちろん、小中学生の育成年代まで、競技力向上や怪我予防のサポートを行っている。
白水コーチが重視するのは「重心移動」。例えば、大谷や近藤の打撃の特徴は、打率も残せて、かつ強くバットを振れて長打を打てることだ。
「毎回、形よく動けるようにするのがトレーニングの基本。10回×3セットのメニューをするならば、その10回を同じ動きをしたい。それ継続した結果として、打席の中でも毎回、同じように動けて率が残せるようになります。それに加えて、“爆発的な力”を生み出せるようになるかも重要です」
そうした高いスキルと大きなパワーを生み出す鍵ともなるが重心移動だ。とはいえ、その意味は何となくわかっていても、実際にどう実践するのか、指導者としても説明はしにくい。そこで、白水コーチが育成年代の冬場のトレーニングとして勧めるのが、「シンプルに、ダイナミックに体を動かすこと」だ。
シンプルな運動で「大きな力を伝える」感覚を身に付ける
「野球は“形(型)”のスポーツですが、最初から『形、形』とばかり言って制限してしまうと、動きが小さくなり大きな出力を出すことができなくなります。いい選手は、形も大事にするけれども、動きの中に“遊び”がある。細かいことは気にせずに、粗削りでも全身を大きく使えるようにすることも、初めは重要だと思います」
例えば、思い切り速く走る、高くジャンプする、メディシンボールなどのやや重みのあるものを全身を使って投げてみるなど、シンプルなものでいい。どうすれば高く跳べるか、遠くに投げられるかを試行錯誤する中で、「“体の重さ”を使った方が大きな力が伝わるということがわかってくる。それを体感しておくのが大事」。効率よくパワーを生み出す重心移動のコツが、感覚として理解できるようになるというわけだ。
「1つの形しかできないとなると、それ以降のパフォーマンスの広がりがなくなります。例えば、形を大事にする練習と、自由度を高くしてダイナミックに動く練習とを分けて、1日おきに取り入れてみるのもいいと思います」
もちろん、そこには指導者の声かけも大切で、「『今日は全力でやってみて』と一言かけるだけで、子どもたちの動きも変わってきます」。白水コーチは今月27日から5夜連続で行われる「大人のための少年野球塾」にも参加予定。少年野球に関わる指導者や保護者にとって、名選手たちも体感したメソッドを学ぶ機会として注目だ。
大谷や近藤ら一流選手を指導…白水直樹コーチも“参戦決定”!
First-Pitchと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では、11月27日から5夜連続でオンラインイベント「凄腕コーチ12人が技術指導 大人のための少年野球塾2023 〜子どもを伸ばすための集中講座〜」を開催。小・中学生の現場で豊富な実績を持つ指導者や、話題の野球塾コーチ・トレーナー12人が出演し、オンライン配信で、選手たちを成長へ導くドリルやトレーニングを実技解説する。詳細は以下のページまで。
【大人のための少年野球塾2023・詳細】
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【実際の動画】コーチを慕うプロ選手たちも続々…白水直樹氏のトレーニング指導の様子
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