部活動改革で野球離れ“加速”の懸念 「受け皿」に期待される軟式クラブチーム

中学の部活動は地域へ移行…現場が切望する軟式クラブチーム増加

 国が進める部活動の地域移行で、野球人口の減少に拍車がかかる懸念が広がっている。野球は他競技と比べて中学生を対象にしたクラブチーム数は多いが大半は硬式で、子どもたちの選択肢としては不十分だという。課題を解決する方法の1つに、軟式クラブチームの増加が挙げられている。

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 教員の働き方改革の一環で、国は中学の部活動を地域に移行する方針を固めている。現在、中学生の硬式野球にはボーイズ、リトルシニア、ポニーリーグ、ヤングリーグ、フレッシュリーグと5つの団体があり、他の競技関係者からは「選択肢の多い野球は、部活が地域移行しても問題ないだろう」という声が出ている。しかし、当事者の認識は全く異なる。部活動の軟式野球部に所属している生徒は全国に14万人。これは硬式野球人口の約3倍になる。日本中学校体育連盟(中体連)の軟式野球競技部長を務める土屋好史さんは、危機感を隠せない。

「地域移行と簡単に言いますが、これだけの人数の受け皿を確保するということは容易ではありません。部活動であるからこそ、これだけの中学生が野球に親しんでくれていますが、地域移行後は野球人口の減少に直結すると思われます。部活動に携わる先生方にも優秀な指導者は多く存在します。そのような方々が指導に関わることができなくなると、野球界にとって大きな損失です」

 地域移行となれば、教員ではなく外部の指導者らが中心になって選手を指導する。平日の放課後に加えて、土日は朝から夕方まで丸一日練習や試合となれば、人材の確保は容易ではない。また、甲子園やプロなど上のレベルを目指し、中学から硬式を希望する選手ばかりではない。部活が機能しなくなり、硬式しか選択肢がなければ、野球の競技人口減少は避けられない。

 部活動改革によって野球離れの加速を懸念するのは、軟式野球の関係者だけではない。ジャイアンツカップの出場経験もある群馬の強豪「高崎中央ボーイズ」を率いる倉俣徹監督は「部活動がなくなった場合、硬式野球のクラブチームは競技者の受け皿にはなりにくいと思います」と話す。

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