元メジャー高橋尚成氏が米国でアカデミー開校 次世代へ繋ぐ野球の魅力とは

2021.11.26

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今年2月に南カリフォルニアにアカデミー設立、野球愛と勝負勘を育成

 野球と共に歩み続ける男がいる。「本当にいつも隣にいてくれないと困る存在かな」。そう語るのは、巨人やメジャーなどで活躍した高橋尚成氏だ。日米合わせて16年のプロ生活を送った技巧派左腕は、引退から6年目を迎える今年、野球と共に新たな一歩を踏み出した。それが「Hisanori Method Academy of Califorina」の開校だ。

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 小中学生を対象としたベースボールアカデミーで、現在拠点を置く米カリフォルニア州南部にあるトーランス(月火)とアーバイン(木金)の2か所で実施。7歳から15歳まで合わせて15人ほどの子どもたちに野球の楽しさを伝えている。子どもを指導するのは高橋氏と野球経験を持つアシスタントコーチの2名。子どもたち1人1人としっかりコミュニケーションを取れるように子どもたちの人数は制限している。

 コンセプトは「楽しく野球をする」こと。「子どもたちに対して大人の技術論を押しつけるのは良くない。上手くいかないことがあれば、どうしたら上手くいくのか。そのヒントを与えながら、子どもたちが考えて実践する形をとっています」と話す。

 練習内容も臨機応変だ。大まかに「ピッチングの日」「バッティングの日」「守備の日」と決めてはいるが、「固定すると子どもたちが飽きてしまうから、3回に1回くらいは何の練習がしたいか子どもたちに話し合わせます」と高橋氏。練習の締めくくりには必ずランニングとトレーニングのメニューが入るが、ここにも楽しむ工夫がある。

「鬼ごっこをしたり、グループに分けて競争させたり。意外と盛り上がるのが鬼ごっこで、決められた枠の中に鬼が2人入って、逃げる子は1人。制限時間1分のうち、体につけたテープを取られたら負けで、逃げ切ったら勝ち。子どもたちも気が付いたら結構走ってたよね、と夢中になっています」

 アカデミーでは子どもたちを競わせるメニューも取り入れている。「野球を楽しむ」というと、勝敗をつけることが誤りのように考える向きもあるが、高橋氏は「子どものうちに勝った喜びや負けた悔しさを味わうことは大切です」と続ける。

「やっぱり野球は勝負をする場所であって、野球を楽しむというのはその勝負を楽しむことだと思っています。試合で打たれた時には悔しい気持ちが沸いてくる。どうして打てなかったのか、どうしたら抑えられるのか。そう考えられるようになるには、子どもの頃にかけっこや遊びの中で勝った負けたを経験しておくことは大事。僕自身もそうでしたが、勝負勘ってそういうところで養われるものだと思うんですよね。子どもながらに感じる小さな喜びや悔しさに気付いて、手を差し伸べられるような距離感でいたいと思います」

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