集中豪雨で埋もれたグラウンド 保護者総出で復旧にあたった佐賀ビクトリーの想い

2021.10.05

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8月中旬に九州を襲った豪雨でマウンドや打撃ケージが損壊

 自然は時として、人間の生活に牙をむいて襲い掛かってくる。8月13日から佐賀県をはじめ九州北部を中心に起きた集中豪雨は、中学生が元気に汗を流すグラウンドを飲み込んだ。 (2021年10月1日、Full-Count掲載)

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 日本ポニーベースボール協会に加盟する佐賀ビクトリーは、今年6月に行われた第7回宮日旗中学硬式野球西日本大会で優勝、7月にはポニーリーグの1年生の部・全日本選手権ポニーブロンコ大会で優勝する強豪。創部は2010年とまだ若いチームだが、難敵がひしめく九州地区でメキメキと頭角を現した。

 その佐賀ビクトリーが練習場としているのが、佐賀市内のリバーサイドパーク川上にある佐賀ビクトリーグラウンドだ。市の協力を得て拠点として使い始めたのは3年前のこと。それまでは毎週、空いているグラウンドを探しては練習場所を転々とする“ジプシー球団”だったという。当時は部員数に恵まれない時期もあったが、活動場所が決まると部員数は増加。現在は中学1年から3年まで合計41人の部員が所属する。

 河川敷の広々としたスペースにはブルペンが設置されたり、打撃用のケージが置かれたり。卒業していったOBが寄付してくれた備品が集まり、充実した練習環境が整えられていた。が、集中豪雨で氾濫した一級河川・嘉瀬川の水が、瞬く間にグラウンドを飲み込んでしまった。

「水位が1メートル30センチくらいまで上昇して、グラウンドが水没してしまいました。ブルペンは流され、鳥カゴ(打撃ケージ)も壊れてしまって。道具を置いていたコンテナも倒れてしまったので、ボールが全部水に浸かってしまい使い物にならない状態でした」

 当時の様子を振り返るのは、球団代表を務める野中岳さんだ。水が引いたグラウンドに行ってみると、そこには10センチ以上にもなる泥が覆い被さっていた。どうしたものか、途方に暮れそうになるところを支えてくれたのが、監督・コーチ、保護者、OBたちの「子どもたちがまた、伸び伸び野球をできるようにしてあげたい」という気持ちだった。

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