お茶くみ廃止に進路指導… ポニー事務総長が自身のチームで起こす“変化のうねり”

2021.09.24

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市原ポニーでは会長兼総監督、週末はグラウンドでノックバットを振る

 2019年12月に「SUPER PONY ACTION パート1」を発表して以来、継続して少年野球界に新たな風を吹かせている日本ポニーベースボール協会(以下、ポニー)。思い切った改革の陣頭指揮を執っているのが、事務総長を務める那須勇元氏だ。平日はスーツに身を包み、協会に関する作業と家業を並行する“二刀流”を実現。週末はスーツから野球の練習着に替えて、自身が会長兼総監督を務める千葉・市原ポニーベースボールクラブ(以下、市原ポニー)での指導にあたる。(2021年6月18日、Full-Count掲載)

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「国の宝である青少年の成長を守る」を世界共通理念として掲げるポニーは、子どもたちの未来を見据えた育成に注力。未然に怪我を防ごうと投球数限度を設けたり、肩肘検診を積極的に行ったり。また、経済的な理由から子どもたちが野球を諦めることがないようにと用具給付を実施、指導者や保護者の行き過ぎた指導をなくすため怒声や罵声に対する「イエローカード」も導入している。

 ただ闇雲に新たなルールや制度を設けているのではなく、土台となっているのは医師や弁護士など各方面の専門家の意見。「主役は子どもたち。大人に都合よく、ではなく、子どもに本当に必要なことを考えれば、やるべきことは見えてきます」と那須氏は言う。

 崇高な理念を掲げても、それがお飾りになっていては意味がない。まずは自分のチームから。那須氏は市原ポニーからもまた、変化のうねりを起こそうとしている。

 1991年に創部した市原ポニーは今年で30周年。長らく会長を務めていた水谷勝氏(現顧問)からチームを引き継いだ那須氏も、最初は父兄の1人だった。二卵性双生児として生まれ、平均よりも小柄だった息子が「ここなら僕でも野球が楽しく、上達できそうな気がする」と選んだのが市原ポニーだった。水谷氏の頃から続く指導理念は「基本がしっかりできれば結果はついてくる」というもの。「子どもはしごかなくても、教えたことができるようになる。それぞれが持つ能力を100%引き出してあげる感覚です」と那須氏は話す。

 市原ポニーで自信を深めた息子は現在、24歳。ポニーから卒業して久しいが、体育会然とした弱肉強食の色濃い場所では自信を失うばかりで、野球嫌いになったかもしれない息子を救ってくれたポニーに恩を感じ、市原ポニーを引き続き、本部では事務総長を務めている。

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