怒らない指導者、180度違う基本 “入れ違い”で甲子園逃すも…衝撃受けた「米国式育成」

2000年夏の甲子園を沸かした那覇高校出身の徳永裕幸さん…子育てに生かす米国留学経験
米国留学で得た経験が、現在の子育てに生きている。沖縄県で2人の息子を育てる徳永裕幸さんは高校時代、甲子園で旋風を巻き起こす那覇高校に進学するも、入学後わずか3か月で米国に渡った。野球と勉強の両立を目指しての“軽い気持ち”だったが「野球観が180度変わりました。その経験値が今につながっている」と口にする。
徳永さんは中学時代に硬式クラブチームに所属していが、「推薦などもほとんどなく、勉強と両立ができる高校に」と那覇高校を選択。中学からともに進学した同級生には、2000年夏の甲子園で“左利きの捕手”として話題を集めた長嶺勇也さんもいた。だが、入学当初は2人とも野球をやらないつもりだったという。
「中学のチームは厳しかったので、体験入部の時に『なんか緩いねぇ』と話して、野球はいいかなと。でも、留学中に(長嶺さんから)連絡がきて『チームが良い感じだから、帰ってこいよ』と。やらないって言ってたのに(笑)。留学を終えて野球部には入りましたが、(3年時には)甲子園には届かなかった。自分のなかで高校野球は完全燃焼だったかもしれません」
まさかの“入れ違い”で聖地は逃したが、米国で得たものは大きかった。留学中も現地の野球チームに所属していたが、日本とは正反対の指導法に驚いたという。1、2軍で使い分ける球場、グラウンドは天然芝。やらされる練習ではなく自主性を重んじるスタイル。守備でも、当時の日本は腰を落とす捕球体勢が基本だったが米国では違った。
「過度に腰を落とすと体が固まって逆に動けなくなる。胸を落としなさいと。指導者は怒ることなく『なぜ、ミスが起きたか考えよう』という感じです。いいプレーは褒めて称賛する。全てが斬新でした。選手も大きいのにスピードがありました」
「社会に出るために何が必要か。それができれば野球も勉強も頑張れる」

現在は子を持つ親となり、インスタグラムのアカウント「kou_sou_baseball」で長男・幸大郎君、次男・宗大郎君の成長記録を発信している。指導法は高校時代に学んだ“米国式”も取り入れているが、最も大事にしているのは野球に対する姿勢だ。
「片付けやボール拾いなど、まずは野球への向き合い方を伝えています。子どもはできないのが当たり前なので。強制することはないですが、本人がやるとなれば、私もしっかり向き合います。小学生で上手くても中学、高校に入れば伸び悩む子も多い。過度に期待することは本人へのプレッシャーにもなります。まずは野球を通して社会に出るために何が必要か。それができれば野球も勉強も頑張れる」
仕事を終えれば、子どもたちの練習に付き合う充実した毎日を過ごす。徳永さんは親と子の限られた時間を大切にし、これからも球児の育成に力を注いでいく。
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