憧れの球場で「ボコボコに打たれ涙」 飯も喉通らず…春夏連覇主将の忘れえぬ“敗戦”

公開日:2024.03.26

文:高橋幸司 / Koji Takahashi

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2018年春夏連覇、大阪桐蔭元主将・中川卓也が語る中学時代の“挫折越え”経験

 中学時代の“悔しい敗戦”を乗り越えた先に、聖地での栄光が待っていた。2018年に春夏連覇を果たした大阪桐蔭高で主将を務めた中川卓也内野手は、明確な目標を持つことで、挫折や壁を乗り越えられると語る。First-Pitchでは「甲子園球児の育ち方・育て方」をテーマに、甲子園へ導いた元監督や選手、その保護者にインタビュー。夢を叶えるために、それぞれの立場で実践できる“成長のヒント”を探った。

 4歳で野球を始めた中川は、小学校では学童チーム「北出戸モンスターズ」、中学では硬式の「大阪福島シニア」に所属。大阪桐蔭高では1年秋からベンチ入りし、2年時の2017年春の選抜で優勝、3年時の2018年には、根尾昂(現中日)、藤原恭大(現ロッテ)ら“最強世代”のキャプテンとして甲子園春夏連覇を果たした。その後早大を経て、現在は社会人・東京ガスでプレーしている。

“甲子園”は幼い頃から身近な存在だった。球場に近い大阪出身というだけではない。学童チームの先輩である6歳上の城間竜兵投手(現パナソニック)、3歳上の兄・優さんは共に中学硬式を経て八戸学院光星(旧校名・光星学院、青森)に進学し、選抜や選手権で上位進出。「甲子園は近いので応援にも行きましたし、『この舞台でやりやい』と思いました。小・中学生の頃はプロよりも甲子園という感じでしたね」。

 小学校では主に捕手、中学時代は投手、二塁手を務め、小中共にチームのまとめ役も託された。「周りに気を配るような考えは、さすがに小学生の頃はありませんでしたけどね」と言うが、持って生まれたリーダーの資質があったのだろう。次第に、強豪校で甲子園に出場するだけでなく「キャプテンとして甲子園に出て、優勝したい」と、目標はより明確になっていった。

 そんな中川にとって、“挫折”を味わった忘れられない試合がある。中学2年秋に開催された、関西地区の硬式チームの頂点を決める「タイガースカップ」決勝戦。大阪福島シニアはオール枚方ボーイズと対戦し、0-6と完敗した。場所は甲子園球場だった。

 中川は大阪福島に入団する前に、一時オール枚方に所属した時期がある。「思い入れもありますし、『絶対に負けたくない』という気持ちもあったんですが、マウンドに上がってボコボコに打たれて……。グラウンドでも、帰りのバスの中でも涙が止まらなかったですし、悔しい気持ちを抱えたまた晩御飯を食べたことを、今でもはっきり覚えています」。

ライバルを徹底研究…見事リベンジも「そこで完全に燃え尽きました(笑)」

「全ては逆算。目標を大きく持つことが大事」と語る中川【写真:伊藤賢汰】

 オール枚方には高校で同僚となる藤原や、報徳学園に進む小園海斗(現広島)らライバルたちがひしめいていた。「こいつらに勝たなければ、強豪校にも甲子園にも行けない」。そこからは練習にも一層熱がこもった。きつくてサボりたい時も、「後悔したくない。“野球の神様”が見ている」と自らを奮い立たせた。

 リベンジの機会がやってきたのは、中3夏の「ジャイアンツカップ」。1回戦の相手がオール枚方と決まると、中川は仲間たちと対策を徹底的に練った。

「中学生ではあまりやらないのですが、相手打者のビデオを見て対策を練りました。キャッチャーの野村(大樹、現ソフトバンク)と一緒に、このバッターはアウトコースが苦手だから、外の真っ直ぐとスライダーで抑えよう……というように、自分たちなりに調べ上げて試合に臨みました」

 結果は10-0。中川-野村のバッテリーは見事、ライバルを完璧に抑え込んだ。「そこで完全に燃え尽きて、2回戦であっさり負けてしまいましたけどね」と笑うものの、この挫折を乗り越えた経験は中川に大きな自信を植え付け、酸いも甘いも味わうことになる高校野球生活への糧ともなった。

 悔しい敗戦を乗り越えられたのは、何よりも「強豪校に入り、甲子園で優勝する」という目指すべきものがあったからだ。「全ては逆算。目標を大きく持つことで、やるべきことがたくさん出てきます」。そう語る中川は、4月1日からの「甲子園予備校」に参加予定。その言葉は、“甲子園出場”という夢を持つ小・中学生や指導者たちに、大いに参考になるはずだ。

大阪桐蔭高で春夏連覇・中川卓也選手も“参戦決定”!

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