ソフトバンク・近藤健介は一般入試で横浜高校入学→即レギュラーに
中学校で硬式野球の経験がなくても、甲子園出場をあきらめるのは早い。ソフトバンク・近藤健介外野手の父、近藤義男さんは、中学軟式野球に30年以上携わってきた。First-Pitchでは「甲子園球児の育ち方・育て方」をテーマに、甲子園へ導いた元監督、元球児やその保護者にインタビュー。野球を楽しむ気持ちがあれば、高校で初めて硬式を経験する選手でも息子のように甲子園出場を果たせると考えている。
「横浜高校に行きたい」。息子から志望校を告げられた時、近藤さんは猛反対したという。当時を回想する。
「横浜高校には軟式出身の野手がほとんどいないことを知っていました。硬式に慣れるまで、じっくり見てもらえる高校の方がよいと私は思っていました」
息子の健介は中学時代、軟式野球部に所属していた。志望校にした横浜は甲子園で優勝経験もある全国屈指の強豪校で、硬式野球で名前の知られた中学生が集まってくる。中学校の教員として野球部を長年指揮し、日本中学生野球連盟専務理事も務める父・義男さんは、硬式野球未経験の選手が通用する高校ではないと感じていた。ただ、一度決めたら意思を貫く息子の性格を知っていたため、本人の決断を尊重した。
「健介はプロになりたいというより、甲子園に出たい気持ちを強く持っていたようです。横浜高校に入れば甲子園に行けると。1学年で30数人部員がいた中で、健介1人だけが推薦ではなく一般受験で野球部に入りました。私としては、3年生になった時にベンチに入れればよいな、という感じで見ていました」
「歯を食いしばる姿見たことない」のに…名将もスカウトも認めた努力
父の予想に反して、息子は高校1年の5月中旬には早くも遊撃のレギュラーをつかんだ。軟式から移行してわずか1か月ほど。しかも、中学時代は主に捕手だったのに、硬式に対応していた。
そのまま打力と肩の強さを武器にチームの中心選手となり、3年時に捕手として春夏連続で甲子園に出場。目標を実現した。近藤さんは息子の活躍を喜びながらも、どこか腑に落ちない感覚があったという。「健介が歯を食いしばって練習している姿を見たことがありませんでした。いつもニコニコしている印象です」。だが、結果を残せる理由を高校卒業のタイミングで知った。
「当時横浜を率いていた渡辺(元智)監督が、健介について『こんなに練習する選手は見たことがない』とおっしゃっていました。日本ハムのスカウトからは『これほど準備して入団してきた選手はいない』と言われました」
近藤が練習熱心なのは、指導者や関係者の間で周知の事実だった。近藤さんは後に、息子が中学生の時、球を握り替える感覚に納得がいかず、3時間も壁当てをしていたエピソードも聞いた。
横浜高へ一般入試で入学したように、中学時代の近藤は誰もが認める突出した能力があったわけではなかったという。「健介は野球が好きで、上手くなりたくて、楽しんで練習していたんだと思います」と近藤さんは語ってくれた。
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