中学受験は「名前覚えてもらうため」 入念な合格対策…“生き残り”に活きた助言

「全てにおいて準備が大切」元阪神・桧山進次郎氏が進路についてアドバイス
軟式を続けるべきか、硬式に変えるべきか、中学に上がるまでの間はどんな練習をすればいいのか……。少年野球チームでの大きな大会も一段落した12月末。そろそろ次のステージを見据える6年生も多いのではないだろうか。
希望に胸を膨らませるばかりではなく、保護者も含めて色々と悩みも多いこの時期。ウエートトレーニングなど、器具を使用した練習も取り入れたくなるところだが、阪神で“代打の神様”として活躍した桧山進次郎さんは「野球専門のトレーニングがすごく流行っていますけど、まだ何か重いものを上げたりする必要はありません」と強調する。
「自分の体を利用したトレーニングをするわけです。例えば腕立て伏せとか、四股を踏むとか、そういうことをした方が怪我も少ないと思います」
怪我を防ぐための「準備」も大切だ。特に気温が下がるこの時期。いきなり全力で投げたり、走ったりするのはもってのほか。じっくりとウォーミングアップを行い、体を温めることが必要だ。
「何をするにも、僕は準備で決まると思っているんですよね。しっかりと体操をして、練習が終わった後にもストレッチをして、それでやっと初めて練習が終わったというふうに思ってもらえれば、怪我も少ないし、楽しい野球をずっと続けることができます」
野球に終わりなし…子どもたちに「突き詰めていってほしい」

軟式、硬式についても「野球の本質はあまり変わらない」という。桧山さん自身、中学までは軟式でプレーした。京都出身で、地元の名門・平安高(現龍谷大平安高)に進学したいという夢があったため「少しでも高校に名前を覚えてもらうために」付属の平安中(現龍谷大平安中)進学を希望。中学受験への準備と対策をしっかりと行い、合格を勝ち取った。
「勉強も準備していないと、やっぱり解けない問題もあるし、全てにおいて準備が一番大切。7、8割はそこで決まるのかなと思っています」
平安中では、監督からの助言もあり、両打ちから左打ち一本に専念。木製バットでアピールを続けながら、内部進学を勝ち取った。元々は内野手だが、中学で外野手を経験できたことも、プロで生き残って行く上でプラスに働いた。
桧山さんは10日、神宮球場で行われた「第4回くら寿司トーナメント2023 第17回学童軟式野球全国大会ポップアスリートカップ星野仙一旗争奪」決勝戦でYouTubeライブ配信のゲスト解説を行い、試合前には始球式も行った。6日には京都で「第15回アスリートワールド学童野球教室」にも参加。野球を愛しているからこそ、次世代の育成に力を入れている。
「野球って、打って投げて走ってプラス、ちょっとしたアイデアを考えながらプレーしないといけない。失敗もしますけど、次にじゃあどうしようかなと工夫しないといけないとなると、社会人となるためのいい勉強にもなる。終わりはないので、突き詰めていってもらいたいですね」
“代打の神様”として、一振りのための準備を怠らなかった桧山さんだからこそ、その言葉には説得力がある。
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