選手の力量や性格などから志望校を勧める他、高校卒業後のサポートも
保護者が気になる、野球をする子どもたちの進路問題。全国屈指の強豪・京葉ボーイズの関口勝己監督は、選手に合った高校選びを行っている。進学先の指導方法を理解し、保護者を含めた4者面談も欠かさない。進路に関する連載「セレクトデザイン」では、子どもへの「責任」について社会人野球までプレーした関口さんの考えを紹介します。
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京葉ボーイズでは年に2回、進路についての面談をしています。1回目は中学2年の11、12月で、2回目は中学3年の春。通知表を持参してもらい、勝本俊朗代表と私、選手、保護者による「4者面談」の形で実施します。まずは、子どもと保護者の希望を聞きます。ただ、野球で進路を選ぶとなると情報が少ないのか、「どこを志望校にするのが良いですか」と質問を受けることが多いです。
これまでたくさんの子どもたちを送り出しました。それぞれの高校がどのような指導をしているのか把握しているので、子どもたちの成長度や性格にあった学校を勧めています。野球で勝負したい子どもには、強豪校に入れるようにサポートします。一方で、体力や性格を見て強豪校は難しいと感じた時には、率直に子どもと保護者に伝えます。強豪校で能力の高い選手と競った方が力を発揮できる選手もいれば、レギュラーでプレーできる環境の方が伸びる選手もいます。練習がきつくて辞めてしまったり、指導法が合わなくて伸び悩んだりしないよう、子どもに合った学校を見極めています。
もちろん、野球以外の将来の希望や考え方も聞いて、ふさわしい高校を伝えています。志望校が決まれば、中学校の進路指導と同じです。志望校に入るには9教科の5段階評価の合計が32ないと入れないから、あと4増やすために勉強を頑張れよなどと具体的な数字を意識させます。
野球の技術を伸ばすだけではなく、子どもたちの将来について責任を持つのが京葉ボーイズの方針です。チームに入った時に、子どもと保護者には「私と勝本代表が進路の面倒を見ます」と伝えています。高校卒業後に、東京六大学や東都大学を紹介する時もありますし、ツテのある大学や社会人チームのセレクションを受けさせる時もあります。希望する子どもたちには長く野球を続けてほしい。京葉ボーイズでは上のカテゴリーでも通用する子どもを育てている自負があります。
○プロフィール
関口勝己(せきぐち・かつみ) 1965年4月13日生まれ、栃木県出身。小山高、明治大を経て1988年NTTに入社。NTT関東(現NTT東日本)野球部では95年までの現役9年間で都市対抗野球大会に6回出場。2003年から08年までNTT東日本でコーチを務め、09年から京葉ボーイズの指導にあたる。これまでにボーイズ全国大会3度優勝、19年には春、夏連覇を果たした。
(石川哲也/Tetsuya Ishikawa)
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