“ネットから情報”取捨選択の難しさ…動作解析の第一人者が力説「指導者も学ぶ姿勢を」

「指導者が早く考え方を変えないと、野球界は大変なことになる」

 筑波大学体育専門学群の川村卓准教授は「動作解析の第一人者」として知られるが、本来専門とするのは野球方法論やコーチング学で、同大学では「野球コーチング研究室」を開設している。これまで川村准教授の研究室では、ソフトバンクの工藤公康監督、ロッテの吉井理人1軍投手コーチ、DeNAの仁志敏久2軍監督ら、数多くのプロ野球OBがコーチングを学んだ。(2020年12月24日、Full-Count掲載)

【PR】球児&指導者に「成長のキッカケ」を届ける動画配信サービス「TURNING POINT(ターニングポイント)」 LINE友だち限定配信動画公開中

 ひと昔前までは、引退したプロ野球選手が大学や大学院でコーチングについて勉強をすることはなかったが、近年は引退後の時間を利用して、大学や大学院に限らず、様々な形で学びを求めるOBが増えている。川村准教授は「指導者を目指すのであれば、絶対に学ぶ姿勢は持ってほしいと思っています」と力を込める。

「指導者は成長や身体のこと、スポーツマンシップなどを学ばないとダメです。自分の経験だけで指導をすると、経験の範囲内ですべてをやろうとしてしまう。もちろん、みなさんが持っている経験はものすごく素晴らしいものです。ただ、それをちゃんと生かすためには、いろいろな視点を学んだ方がいい。そういう意味でも、指導者になった後も、学びを止めずにしていただきたいですね」

 当然ながら、指導者が選手に与える影響は大きい。特に、選手の成長が著しい小学生から大学生までの期間に関わる指導者には、正しい知識を持って、未来の野球界を担う原石たちを育ててほしいと願う。

「よく『名将』とか『○○選手を育てた監督』とか、指導者が持ち上げられることがあります。でも、実際に野球をやっていて誰が偉いのかと言えば、ちゃんと練習をして成長の努力をした選手が偉い。指導者はそのアシストをしているだけなんです。

 私が子どもの頃は野球をやる子が多くて、徐々に淘汰されて最後に残った人がプロ野球に行く時代でした。でも、今は子ども自体が少なくて、かつ野球をしている子が減っている。数少なくなった野球をする子どもたちを、正しい知識を持った指導者が故障させることなく、みんなで次のステージへ受け渡しながら育てていく必要があります。育成に携わる指導者が早く考え方を変えないと、野球界は大変なことになる。指導者を育てる身として、私もちゃんとやらないといけないと感じています」

 川村准教授は日本高野連が主催する有識者会議に参加し、球数制限に導入に尽力した。だが、そもそもの話をすれば「指導者がちゃんとわきまえていれば、自然とできるはず」と話す。