侍J山中強化本部長が学童野球に一石 試合数の多さに苦言「これは惨状に近い」

公開日:2021.08.19

更新日:2023.12.26

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侍Jには「品性=スポーツマンシップを正しく理解して具現化」を求める

 野球日本代表「侍ジャパン」の山中正竹強化本部長が19日、横浜市内で行われた「第3回神奈川学童野球指導者セミナー」に登壇し、現在の学童野球で行われている試合の多さに言及し、「ルール化していくことも必要だと思う」と私見を述べた。(2020年1月19日、Full-Count掲載)

 山中強化部長は「あるチームは100試合、あるチームは200試合とプレーしている現状がある。これは惨状に近い。いろいろ時間を経る中で試合数が増えたのだと思うし、ある時期はそれが必要だった。でも、今はトゥーマッチになっている」と言及。学童期の試合数について「ルール化していくことも必要」と話した。

 その根本にあるのは「子どもたちに野球を好きでいてほしい」という気持ちだ。「子どもの将来の芽を摘んだり、野球を嫌いにさせるようなことになってはいけない。今思う、正しい野球の方向に、少しスピードを上げて進みましょう」と呼びかけ、学童期の指導者に向けたテキストブックの作成が進んでいることも明かした。

 また、7月に迫る東京五輪に向けて、侍ジャパンを率いる稲葉篤紀監督が金メダルを目標に掲げることを「大事なこと」と断言。加えて、プレミア12の時にもトップチームに求めたという「品性=スポーツマンシップを正しく理解して具現化すること」を五輪代表チームにも求めるとし、「強さと品がないとメダルの輝きは100%にはならない」と訴えた。

 東京五輪は日本球界が試される機会だとも話し、「野球の素晴らしさを、野球人が自分の言葉で発信できるようにしておくことが大事。それがブームに繋がる」と野球人気回復の一助となることを願った。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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