少年野球用品がズラリと並ぶ専門店 リスク覚悟で大量に在庫を揃えるワケ

公開日:2022.04.17

更新日:2023.12.26

文:間淳 / Jun Aida

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ベースマンは「全ての野球用品が見つかる店」

 野球用品専門店「ベースマン」は、全ての野球用品が見つかる店をうたっている。経営面のリスクがあっても、限られた人にしか需要がないと分かっていても、在庫を抱えるスタンスを変えていない。そこには、少年野球に込めた思いがあると飯田橋本店の店長は明かす。ただ、どんなに手を尽くしても、現在は半年待ちとなってしまう用品が2つだけある。

 野球用品専門店「ベースマン」飯田橋店にはグラブ2000種類、シューズ200種類の在庫がある。キャッチコピーは「全ての野球用品が見つかる店」。メーカーから発売されたばかりの商品からベースマンのオリジナル商品まで、品ぞろえに絶対の自信を持つ。

 建物の2階は少年野球専用フロアとなっている。野球用品がびっしりと並び、常に在庫を切らさないようにしている。経営面を考えれば在庫を抱えるのはリスクがある。それでも、方針を変えない理由を春成浩一店長が明かす。

「子どもたちの悲しむ顔を見たくないんです。子どもは商品を買って帰れると思って来店しています。在庫がなくて1週間待てば商品が届くと言っても泣いてしまいます。そういう姿をできる限り少なくしたいと思っています」

 子どもたちは、新しい野球用品を手にする楽しみを想像して来店する。大切なのは、今すぐに買えること。1週間でも、3日間でも待てないのだ。店内に、少年野球チームのユニホームや帽子がずらりと並ぶのも、子どもたちを悲しませたくない思いから。「チームに入ると決めてワクワクしているのに、自分のチームのユニホームが置いていなかったらがっかりします。店に来て、すぐにユニホームを着られると喜びます」。店では、近くにある10チーム以上のユニホームと帽子を扱っている。ユニホームの補修パッドに珍しい水色をそろえているのは、近隣にある1チームに対応するためだ。利益よりも優先すべき使命感を抱いている。

【次ページ】ハタケヤマのミットとミズノの限定グラブは半年待ち

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