最速153キロ投手が中学時代に“控え”の理由 化ける適性も「周りの努力無駄になる」

文:間淳 / Jun Aida

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全国制覇5度の取手リトルシニア…高校進学後に“球速140キロ超え”は18人

 5度の全国制覇を果たしている茨城県の中学硬式野球チーム・取手リトルシニアは、選手の育成や適性の見極めにも定評がある。将来を見据えた指導やアドバイスで、高校以降に才能が開花する選手が多い。中には中学時代は外野手兼投手だった選手が、高校で投手に専念し、社会人で最速153キロを計測する主戦投手になっている例もある。

 取手リトルシニアは、ソフトバンクの柳町達外野手をはじめ、上のステージで活躍する選手を輩出している。全国屈指の強豪チームでありながら、石崎学監督は目先の勝利に関心を示さない。選手たちには「チームが勝つために自分のポジションを選ばなくてよい」と伝えている。

 石崎監督が重点を置くのは、選手の将来を見据えた指導。大学や社会人まで野球を続けたい選手に対して、最も活躍できる可能性が高いポジションを提案する。中学生としては高いレベルに達している遊撃手に、脚力を考えて捕手への転向を提案したり、内野や外野のレギュラー選手に、高校以降は投手に専念する道を勧めたりする。

 興味深い数字がある。過去11年間に取手リトルシニア出身で、高校時代に投手として球速が140キロを超えた選手は18人いる。そのうち、シニアで背番号「1」を着けていた選手は3人しかいない。つまり、中学時代に控え投手や野手だった選手が高校で頭角を現しているのだ。

 その典型例が、現在は社会人で活躍している投手だという。取手リトルシニアでは主に外野手をしていたが、石崎監督は投手としての適性を感じていた。本人の希望も聞いた上で、高校では投手に専念する道を勧めた。

「外野手なら高校1年生からレギュラーになれるかもしれませんが、野球を長く続ける面で考えると、確実に投手としてのポテンシャルが高いと判断しました。コントロールに課題があったので、ストライクが入らず高校ではエースになれない可能性もありましたが、球速は間違いなく伸びると思っていました」

高校で外野手から投手へ転向…社会人で最速153キロ

 石崎監督は、動きに無駄がない投げ方や肩の強さから、外野手よりも投手に伸びしろがあると見ていた。中学時代は身長が伸びて自分の体をうまく操れず、制球が定まらなかった。身長に対して体重が少ない課題もあった。だが、石崎監督は成長期を終えて、ウエートトレーニングで筋力をつければ、高校の段階で球速が145キロを超える可能性を感じていた。

「うちのチームにいた時から投手の練習はさせていましたが、ストライクが取れなかったので大会では起用しませんでした。ストライクが入らないと、周りの野手の努力を無駄にしてしまうからです。ただ、コントロールが安定すれば大成すると思っていました。今は社会人で最速153キロを記録する投手になっています」

 成長段階の中学生には将来がある。選手の可能性を広げるアドバイスや選択肢の提案ができるのか。その眼力も指導者に問われている。

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