発育の差を“ハンデ”にさせない 早熟と晩熟…2チームを編成する中学ボーイズの狙い

公開日:2023.06.27

更新日:2023.12.26

文:片倉尚文 / Naofumi Katakura

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中学硬式「前橋中央硬式野球倶楽部」は早熟型と晩熟型の2チームを編成

 群馬・前橋市のNPO法人「前橋中央硬式野球倶楽部(以下、前橋中央)」は中学硬式で「前橋中央ボーイズ」と「前橋ボーイズ」の2チームを編成している。原則として体の発育が「早熟」か「晩熟」かでチームを分けているという。その狙いはどこにあるのか。

 体の成長度合いに顕著な個人差がある中学年代。大きな選手を基準にチームを編成すると、小さな選手は練習についていけなかったり、試合の出場機会も限られたり……様々なハンデが生まれる。逆に小さな選手が基準になれば、大きな選手にとっては物足りなく感じることもあるだろう。

 そこで「前橋中央」では早熟型中心の「前橋ボーイズ」、晩熟型中心の「前橋中央ボーイズ」に分けて活動。春原太一理事長は「長く野球を続ける子が増えてきました」と効果を語る。

 子どもの発育について、よくクローズアップされるのは生まれ月。学年区分(4月2日生まれと翌年4月1日生まれ)では最大1年の発育期間の差が生じる。年齢や学年区分に起因する影響は「相対年齢効果」と呼ばれ、「こうした差は高校年代まで埋まりません」と春原さんは話す。

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