楽天・則本や多数の甲子園球児輩出 少年野球で分かる伸びる選手の“共通点”

公開日:2022.06.24

更新日:2023.11.10

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全国V2度の指揮官が考える選手の特徴は「まねをする力」

 滋賀・多賀町の少年野球チーム「多賀少年野球クラブ」の辻正人監督は、チームを立ち上げて今年で34年目を迎えた。連載4回目のテーマは「伸びる選手の特徴・共通点」。これまでに多数の甲子園球児ら上のステージで活躍する選手も指導する中、成長する選手は「まねをする力」が長けていたと辻監督は感じている。その典型は楽天・則本昂大投手で、上手い選手の技術を分析して吸収する力が突出していたという。

 辻監督は体が成長する中学以降に選手の技術が伸びるよう、野球に必要な考え方や体の使い方を重点的に指導している。これまでにチームを巣立った選手のうち21人が甲子園に出場し、レギュラーとして聖地に立った。辻監督は必ずしも運動能力の高い選手が伸びるわけではないと話す。

「滋賀県の選抜チームに行くと、普段は他のチームでプレーしている選手や保護者と接する機会があります。うちのチームの選手より明らかに運動能力が高いのに、打撃も守備も劣っている選手を目にします。そういう親子は『多賀みたいに打撃マシンが5台もないから』、『多賀みたいに広いグラウンドがないから』と自分たち以外の部分に原因がある言い方をしているケースが多いです。自分を納得させるための理由付けだと思いますが、考え方を変えないとせっかくの運動能力を生かせません」

 多賀少年野球クラブから甲子園に出場した選手も、体が大きく運動能力が高い選手ばかりではなかった。辻監督が考える伸びる選手の特徴は「まねをする力」だ。

「技術を伸ばす一番の方法は、上手い選手のまねです。なぜ、自分にできないことができるのか分析して、自分に合わせた形に調整できれば、どんどん上手くなります。小学生のうちから、まねする習慣が身に付いていると、中学や高校で成長する可能性が高いのは自然だと思います」

練習を行う多賀少年野球クラブ【写真:間淳】

楽天・則本は小学生時代から「頭を使う投手でした」

 まねをして技術を習得する。今年でチームを立ち上げて34年目となった辻監督が、「典型」として名前を挙げるのが楽天の則本。人の動きを分析して、自分の引き出しに変えていく力が突出していたという。

「則本は小学生の時点でプロに行くような運動能力ではありませんでした。チームでは全てのポジションを経験させますが、則本は投手以外のポジションでは目立ちませんでした。投手としても球速は90キロ台後半だったので、今のチームでは全国大会のマウンドには立てないかもしれません。ただ、お父さんの体が大きかったので、将来的には球速が上がると思っていました」

 多賀少年野球クラブは2018、19年に2年連続日本一を果たすなど、最近20年間、ほぼ毎年全国大会に出場している。現在のチームで主力の投手は球速が110キロを超え、当時の則本より20キロ近く速い。ただ、則本は制球力が抜群だったという。

「お父さんは野球経験者ではありませんでしたが、いつも則本の投球をビデオで撮影して、プロの投手と比較していました。すごく研究熱心な親子でした。球速はある程度、体の大きさに左右されますが、いい投手のまねをすればコントロールは磨けます。それに、則本は緩急をつけたり、相手の打ち気をそらしたり、頭を使う投手でした。人の動きを分析して、自分の技術として取り入れる力が、プロになれた理由だと思っています」

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